ぐじゅぐじゅ

ウチには昔から何かにつけて食卓にあがる自家製弁当がある。
例えば両親が用事で出かける時の食事であったり、ご飯の残り方が微妙な時とか…。
弁当と言っても外では食べないけど。
中身はめっさシンプル。
入れ物は必ずブック弁当箱（知らない人も増えたんやろな）
その５分の４はご飯、上に焼き海苔が敷き詰められる。
おかずは２品。
１つは紅しょうがのスライス。
昔からウチではコレを漬け物代わりに食べる。
もう１つは通称たまごのぐじゅぐじゅ。
改めて表現すると少しひいてしまうが、ウチでは親父だけが上手に作れる定番の品なのである。
ウチの中での親父のひとつのステ一タスみたいなもんかも…。
しょうゆや味の素で味付けした溶き玉子を時間をかけて火を通していくもの。
取っ手のかけた小さい専用鍋が今でも健在。
とにかく時間を掛けるのでしっとりとした炒り玉子が出来るのである。
結局簡単に言えば紅しょうがと炒り玉子の入った海苔弁なのである（笑）
ただ食べなれたものが一番の御馳走だと思われ。
更に僕の場合、好物のシ一チキンＬフレークまぐろサラダ油漬けと一緒に食べるのが贅沢だったりする。
何かこう庶民って風吹きまくってるけど。
今日の朝飯７時半にはこの弁当が出来上がっていた。
つまり朝の遅い親父が早起きして作ったという事である。
何事？と思いおふくろに問うと…。
今日は義弟の初出社の日やからとの事。
いまいち理由聞いてもピンと来なかったが、多分気になって寝てられないって意味かと…。
ウチの人の良さと言うか、義弟の人の良さと言うか…。
僕ならそこまで義理の親に気に入られるかな？なんてちょこっとだけ頭の隅に置きつつ弁当をかっこんだ。
40320

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