悪いクセ

昨日久しぶりに親友Kから電話があった。
車のセールスマンである彼は納車時など遠出の行き帰りの空いた時間でよく電話をしてくる。
小学校の同級生ながらホントに仲良くなったのは社会人から、それからにしても10年。
恋の話、仕事の話、TVの話など昔から他愛も無い内容である。
車屋は1月から3月が繁忙期らしく、暇になったらまた顔を出すからと言って電話を切った。
明けて今日、部屋で寛いでいると下階が騒がしく、聞き覚えのある声がしたと思ったらドタドタという音と共に部屋のドアが開いた。
昨日の今日で親友Kである。
挨拶もそこそこにお互いの無事をそれとなく確認するとメインの話に突入。
どうやらコイバナらしい。
それも何かショッキングな事があったようである。
ところがKは天邪鬼な所があり殆ど僕の言った意見の逆をいき、特に恋の話となると自分で優柔不断と言うだけあって聞いててもとても歯がゆいのである。
加えて長年の付き合いで2手3手先の気持ちが分かってしまい。
僕の中では一番気を使わない相手なので遠慮も無くなり、つい4手先の事を言ってしまう。
またそれが的を射たようで、大概話終えた後でもどうも彼はスッキリした様子では無かった。
結局今日の正解は全て口を挟まず聞いてあげる事だったようで、途中反省して気付いた時には会社から呼び出しがあってタイムオーバーできちっとフォローできなかった。
恋の話に明確な答えは無いにしても彼のモヤモヤを解消させてやれなかったのは不徳の致すところである。
というか、好きかどうか自分でも分からない相手にジェラシーを感じててもまだ好きかどうかよく分からないという彼にアドバイスできるほど僕は達者では無かった。
14190